*Seythename!

[1]jh
2023年01月03日 20:27

(　赤ちゃん、その言葉が気に食わなかったのか声色から不服なのが声から丸分かりだ。幸せ過ぎて感覚が弛緩しているのか、それだけで可笑しくてくすくすと笑い声を溢しながら首筋に感じる唇の感情と肌に当たる緩やかな呼吸に微かに身を捩る。確かに彼から同じくらい深くて熱い愛情を感じるものの、それでも彼の其れは可愛らしいと感じでしまうほどにはすっかりお前に逆上せてしまってる訳で。俺はもっとだいすきだよ、パボ。心の中で呟くが今度は胸の内で留めておく。気づけば時刻はもうじき正午を回る頃。密着している身体から充分体温がじわじわと伝わるのに着衣越しに肌を撫でてくる手の平まで熱くて。心地よい熱とぽかぽかした日差しに包まれているせいか、やや据わった目付きで切れ長の双眸に蕩けた視線を。「 お前こそ、寸前ならもうちょっとじゃん。完全にどうにかなっちゃえ 」応えるように回していた手で体つきの割に細い腰をすりすりと服の上から撫で回しつつも、不意に食指で背筋をツー…と悪戯になぞり。親しみや親愛が籠っているであろう自分の名を呼ぶその呼び方には未だに慣れないが、次に紡がれた言葉にゆっくりと耳元に埋めていた顔を離してじっと見つめたのは少し弱気な色を滲ませる黒い瞳。やぁ…そんなに可愛くてどうするの？そもそも可愛い恋人から口付けを強請られたら断る理由は何処にもないんだけど。「 …、あんで~、まだ許してないもん。 」先程の話題を引っ張り出してきて敢えて意地悪にふにゃんと笑う。髪をいじる手に自らの手を重ねて指を絡めると顔を近づけ“ したいの…？キス。 ”そう囁くと目の前で唇を突き出し触れないままちゅ、と空のリップ音を。「 じゃあ~…我慢できなくてキスしちゃった方が負けね。もちろん負けた方は罰ゲームだから 」だって簡単にしちゃったら面白くないでしょ？自信なさげに少し下がった眉や緩やかに振った見えない尻尾を見るに期待が募っているのは明確で、その衝動を煽るのも忘れずに。「 俺が負けたらお前の言うことな~んでも聞いてあげる。 」自分の思惑に誘導するように甘く“ 頑張らないとみんぎゅいいなりになっちゃう… ”腰を撫でていた手を離し分厚い胸板へくるくると円を描くように指を這わせて、悪魔の囁きを。しーじゃっ、なんて軽い口調で勝手にゲームを初めてしまえば早速鼻先が触れる程顔を寄せて緩く微笑みを向けて。　)